消えたぽちまりと残された手紙

 

バイクで病院に到着し、ぽちまりを降ろそうと振り返ると、

そこにぽちまりの姿はありませんでした。

 

病院の前で、ぽちまりをくくりつけていたはずのロープを

持って唖然とするイヌメンZ。

確かにいたはずなのに、途中で振り落としてしまったのかと、

一応探しながら帰ったものの、人魚は見つかりません。

 

(夢だったのか? 人魚の魔法にかかっていたのだろうか?)

 

* * *

 

悩みながら事務所に戻ると、お弁当を片付けたタリーが

「これを・・・」

と言って手紙を持ってきました。

 

その手紙の宛先には確かに『イヌメンZさま』と自分の名前が書いてあります。

 

「なんだろう?」

 

イヌメンZは、タリーの前でその手紙の封を開けました。

 

その瞬間

“ザザン”と波のような音が聞こえたのです。

 

手紙には、あの人魚ぽちまりからの丁寧な文字が並んでいます。

 

『イヌメンZさま。お弁当を食べてください』

 

(あのお弁当は俺の為に作ったものだったんだ)

 

手紙を見つめる内に、不思議とぽちまりのことが

頭から離れなくなったイヌメンZ。

実は、この手紙にはぽちまりの幼馴染・魔女の卵

つっきーの魔法がかかっていたのでした。

 

 

 

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*2017年9月8日に公開された物語を再掲載しています。