前回、ハチミッチーに荒らされたクローバー畑の件で寝込んでいると
叔父であるイヌメンZに草屋根の家を設計している
一級建築士事務所 YURI DESIGNのユリ先生を紹介してもらったハニーちゃん。
近くに、しかも住んでいる家の屋根に、クローバー畑を移設
してしまおうというイヌメンZのアイデアに、
さっぱり意味がわからなかったのですが、
実際にユリ先生のご自宅の草屋根や、色々写真を見せてもらって
イメージが湧いてきたようです。
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ハニーのクローバー畑草屋根化計画
わぁ!
最初は怖かったけど、こんなに景色がいいんですね。
でしょ?
暑い時期だけど、植物があるといいわよね。
しかも、色々収穫もできるのよ。
これは何かわかる?
この香り!
ミントですね。
そうそう。
じゃあこれは?
メロン!
まさか、メロンが屋根でできるなんて!
前に収穫した時に、みんなで食べたの。
結構甘かったのよ。
最近ではこんな野菜とか。
わあ!
美味しそう。
でも、トウモロコシまで屋根でできるなんて・・・。
屋根の上には土がどれくらい盛ってあるんですか?
たくさん土が載っていると重いイメージもあるし、
でも土が少なすぎてもこんな立派な野菜はできない気がします。
実は、土の量はだいたい厚さは10cmくらいで、
それでも重さでいくと1㎡あたり100kgもあるの!
※使用する材料、屋根の形状により異なります。
そんなに!?
ユ、ユリ先生。
そもそも草屋根にするとどういいことがあるのかを教えて欲しいです。
わかったわ。
ハニーちゃん!
まずは、この表を見てみて。
※クリックすると大きくなります。
これは、
大阪府立大学 山田宏之教授が、この「御影草屋根の家」の室内外の温度を測定して解析した結果なの。
このグラフによると、屋根を緑化するとよくある一般的な屋根(アスファルトシングル葺き)にした場合にくらべて、真夏に屋根からの侵入熱量が20分の1になるという結果が得られたのよ。
えっ!?
20分の1???
そう。
屋根からの熱の影響をほとんど受けないといってもいいと思うわ。
草屋根にするの目的は、まず、室内環境の向上。
要するに、夏場でもエアコンをあまり使わなくても室内気温が上がらないようになるってことなの。
もちろん、今年みたいな猛暑だったりするとエアコンなしも難しいけど。
それでも、普通の家に比べたら随分涼しいの。
それは魅力的。
逆に冬場は寒かったりするのかしら?
冬は逆に断熱材になって暖かいのよ。
他には、屋根の照り返しがなくて周囲の環境を良くするし、
緑が近くにあって、しかも屋根の上ということでリフレッシュの場になったり、
さっき見てもらったように収穫を楽しんだりもできるし。
みんな草屋根にすると、地球規模でよくなりそう。
屋根の緑化が広まって町が緑で覆われるようになると、
ヒートアイランド現象を緩和すると言われているわ。
そうなればいいなあって、いつも草屋根の会の人と話しているのよ。
すごくお話しお聞きしていていいなあと思うんですけど、
逆にあえてデメリットをお伺いしていいでしょうか?
まずは、屋根荷重が増えるので、リフォームの場合は建物自体の構造をしっかりと補強しなければいけない場合があるの。
それどころか、草屋根にリフォームできないこともあったりするのよ。
急に屋根だけ重くなったら、今までの建物が耐えられなくなっちゃうんですね。
そうなの。
なので、リフォームで草屋根にされる方よりは、新築で草屋根にされる方が多いのよ。
あとは、水やり。
これは、自動潅水装置を付けることもできるけど、それだけコストも上がるので、そこもデメリットと言えばデメリットかもしれないわね。
もともとお庭の手入れとかをできている人は問題なくても、忙しい方や出張や旅行で留守しがちな方、お花の手入れがあまり好きじゃない方なんかも難しいかもしれませんね。
何も手入れしなくても、いったん枯れてまた生えてきたりとかもするのよ。
例えば河原とかでもまったく何も草が生えてないとかはないじゃない?
確かに・・・。
ハニーちゃん、もしも興味があるんだったら、実際に草屋根にしている方のお家を見学に行かない?
ちょうど今度、草屋根の会の見学会があるのよ。
いろいろなタイプの草屋根があるので、写真だけでなく、実際に見てみるのもいいと思うわ。
・・・ぜひ!
というわけで、草屋根にますます興味を持ったハニーちゃん。
ちょうどタイミングよく開催される草屋根の会に参加してみることになりました。
次回のテーマは、
「ハニーちゃん草屋根の会に参加する」
です。
ユリ先生に誘われて、草屋根の会に参加してみたハニーちゃん。
いろいろと視野が広がったようです。
次回更新は10月末を予定しています。
どうぞお楽しみに!
前田由利プロフィール
●YURI DESIGN代表
1963年大阪府生まれ。
関西大学工学部建築学科卒業後、デベロッパーを経て
1998年に1級建築士事務所YURI DESIGNを設立。
人と環境に負荷の少ない家造りを目指し、草屋根住宅を中心に、
医療施設、店舗などの新築・改装の設計監理を行う。
関西大学非常勤講師(2002〜2010年)、芦屋市景観アドバイザーなど。
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●「草屋根の会」について
草屋根のはじまりは、屋根裏部屋の環境改善でしたが、
季節ごとにいろいろな花が咲き、安らぎの場になったり、
景色を眺めたりと楽しみもいっぱいで、
各地にひろがりつつあります。
全国各地から問い合わせも多く、
できるだけその魅力をお伝えできればと思います。
草屋根の会は、情報交換と勉強会の場を充実させて、
みんなが参加できるネットワークを目指しています。
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