
こんにちは。
ポプコレスタッフハナコです。
さて、今回は前回ご紹介しました『犬部!』の篠原哲雄監督へのインタビューに行ってきました!
作品の紹介はこちらへ
※画像をクリックすると前回の記事をご覧になれます。
しかも、ただただ『犬』繋がりということで、イヌメンZと一緒に行ってきました。
かさ高いイヌメン、熱量かなり高めのスタッフハナコ。
ここはしっかり者タリーちゃんにレポートをおまかせしたいと思います。
キャスティングの裏話からコロナ禍での撮影の感染対策や思わぬ影響等、色々お伺いすることができましたので、ぜひご覧ください!
ドキュメンタリーではなく、映画で伝えるということ

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監督、今回は「犬つながり」ということで私達もインタビューに加えさせていただきまして、ありがとうございます!
早速ですが、今回のこの『犬部!』という作品ですが、
“動物保護”という社会的な要素と、
その活動をしている学生たちの成長を描いている
エンタメ的要素が絶妙なバランスの作品だと思ったんですが、
そもそもどういったきっかけでこちらの作品を撮ろうと思われたんですか?
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最初は前の作品でも一緒だった近藤あゆみプロデューサーからの依頼だったんです。
第一印象は「犬かぁ……」と思ってしまった。
よくある飼い主と犬との絆で「泣ける」みたいなものかなあと。
でも、原案になっている片野ゆかさんの本を読んでいくと
これは動物たちが幸せに暮らせるようになるために奮闘する人間のドラマなんだなと。
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人間ドラマですか?
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そう。
この作品に出てくる「犬部」は北里大学獣医畜産学部で学生だった太田快作さんが実際に創設したものです。
外科実習をする・しないというのも実際にあった。
原案にしている本には太田さんだけでなく、何代かに渡って「犬部」のメンバーが紹介されているんです。
それらを読んでいくうちに、これは映画になるなと思ったんです。
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なるほど。
この作品では、最初は学生として『犬部』の創立や活動が描かれていますが、
そこから16年後も描かれています。
いろいろな登場人物がいて主人公・颯太のように変わらず第一線で動物たちを保護している人もいれば、
現在は全く保護活動ができていない人もいる。
観ている側としては、自分と重ねることができる人物が描かれていることでより身近なことに感じました。
こうやってグイグイ作品の中に引き込まれていった気がします。
ここらへんが、ドラマ性というか、エンタメ性を感じます!
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近藤プロデューサーが目指したのは、2003年に犬部が結成された当時と、
今現在そのメンバーがどうなっているかというような2部構成にしたいということ。
もう一つは太田さんがモデルである人物・颯太を主役にして、柴崎のようなバディ的存在を一人置くこと。
その2人が命の重みについての議論をしながら、違う道を歩むことになるんだけど、
動物愛護に関しては同じ方向を目指し、結果として多岐方面からこの問題にアプローチしていく……
ということを、物語化できるようにしたんです。
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一匹も殺したくない颯太と、違うアプローチの仕方で動物を救おうとする柴崎
ですね!
この対比は印象的でした!
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ただ動物愛護のことだけ主張して伝えるのであれば、ドキュメンタリーで良いんですよ。
でも、このテーマを扱うにあたって、映画ならではのアプローチがしたい。
また、最初のバランスのことを言ってもらいましたが、全部の要素を全部ごちゃまぜにして
表現することができるのが映画だと思うんです。
脚本に載っているシーンはすべて撮って最後に編集していきます。
編集で最小限にしているシーンもあるけど、すべての要素は残して編集しました。
ここをどう編集するかで映画がどうなるかが決まってくる重要な部分なので、
すごく時間を掛けてやっています。
コロナ禍での撮影の様子
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ところで颯太役の林遣都さんと柴崎役の中川大志さんは、いかがでしたか?
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それぞれの役どころが対照的ということもあったと思いますが、それぞれの取り組み方があって面白かったです。
コロナ禍での撮影で色々制限も多かったんですが、撮影中、一緒に議論して作り上げていくこともありました。
キャスティングに関しては、大前提としてこの役どころは学生から社会人まで演じなければいけないので、
その両方をやっても違和感のない俳優でないといけません。
もちろん動物を一緒に撮影をするので、動物が大丈夫ということ。
更にスケジュール等、たくさんの要素があって、その中で奇跡的に林くんと中川くんという素晴らしいキャスティングが実現しました。
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コロナ禍での撮影ということでしたが、やはり大変だったんですか?
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そうですね。
撮影したのは、昨年2020年の7月、8月の頃。
山梨県や青森県で撮影したので、東京から多くのスタッフが撮影に行くことで
住民の方々が不安に思わないだろうか、感染対策はどうすればいいだろうか、
などたくさんの課題がありましたね。
初めて撮影中に『衛生班』ができました。
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具体的にはどういったことに注意されていたんですか?
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例えば、うがい・手洗い、消毒の徹底は当たり前なんですが、
食事は撮影場所から離れたところに車で行き、
一人で無言で食べたら消毒してすぐに戻ってくる。
スタッフ全員PCR検査をしてから現地入りをする、とか。
もちろん打ち上げなんかの飲み会もなくなりました。
本来だったら、スタッフの結束を固めたり、ロケ地に還元する意味で飲食店を使ったりしているんですが。
みんなお弁当食べたりね。
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撮影以外にも気を使って大変でしたね。
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でもその分時間ができたので、俳優と犬たちの交流に時間を使うことができました。
序盤で出てくるニコという犬は、元保護犬でなかなか心を開かない犬だったんですが、
林くんにだけは懐いていた。
だからこそ撮れたシーンもたくさんあります。
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心通わす素敵なシーンですもんね。
うちのスタッフハナコさんは、あそこらへんからもうずっと泣いてました。
大きいワンちゃんが抱っこされるのがかなりツボらしいです。
そんなことはさておき!
今回はインタビューにお答えいただきましてありがとうございました!

お忙しい中、長い間ありがとうございました!
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しっかり者のタリーちゃんのインタビューいかがでしたか?
我々の拙い質問にもしっかりと答えていただいた篠原監督、
本当にどうもありがとうございます!
私なんてインタビューしている途中で色々思い出しちゃって涙ぐむ始末……。
(大変失礼いたしました)
犬好きの人も、ちょっと苦手だと思っている人も
心揺さぶられる作品であることは間違いなしです。
まずは日本の現状を知るところから始めませんか?
そして、こんな素敵な若者が増えてくれることを願わずにはいられません。
林遣都さん、中川大志さんはじめ、出演されている方々の素晴らしい演技とともに
出演している動物たちの演技も可愛すぎますよ。
最後に、インタビュー中ずっと気になっていた篠原監督のシャツの柄!

めっちゃ柴犬!
監督どこのシャツですか?
可愛すぎます。
(直接お伝えできなかったので、ここに密かに書いておきます)

犬部!
溢れるほどの愛でしか、
世界は変わらない
青森県十和田市に、一人の変わり者がいた。
花井颯太(林遣都)22歳、獣医学部の大学生。
子どもの頃から大の犬好きで、一人暮らしのアパートには保護動物がぎっしり。
周りからは変人扱いされても、目の前の命を救いたいという一途な想いで保護活動を続けていた。
ある日颯太は、心を閉ざした一匹の実験犬を救ったことから、ひとつでも多くの命を救うため、動物保護活動をサークルにすることを思いつき「犬部」を設立。
颯太と同じく犬好きの同級生・柴崎涼介(中川大志)らが仲間となり動物まみれの青春を駆け抜け、それぞれの夢に向かって羽ばたいていった。
颯太はひとつでも多くの命を救うため動物病院へ、そして柴崎は動物の不幸な処分を減らすため動物愛護センターへーー。
「犬部」から16年後。
獣医師となっても一途に保護活動を続けていた颯太が逮捕されたという報道をうけて、開業医として、研究者として、動物愛護センター所長として、それぞれの想いで16年間動物と向き合ってきたメンバーたちが再集結するが、そこに柴崎だけがいなかった……。
=== DATA ===
監督:篠原哲雄
脚本:山田あかね
原案:片野ゆか「北里大学獣医学部 犬部!」(ポプラ社刊)
出演:林遣都、中川大志、大原櫻子、浅香航大、田辺桃子、安藤玉恵、しゅはまはるみ、坂東龍汰、田中麗奈、酒向芳、螢雪次朗、岩松了
配給:KADOKAWA
2021年製作/114分/G/日本
7月22日(木)より、TOHOシネマズ梅田、OSシネマズミント神戸、 TOHOシネマズ二条、他で公開
劇場情報はこちらからどうぞ! → ★
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