こんにちは。
ポプコレスタッフハナコです。
今日ご紹介する作品は「楽園」です。
「綾野剛ってこんな変な歩き方だっけ?」
と思うほど、ナチュラルにちょっと怪しい青年・豪士を演じている綾野剛さん。
私、彼のこと最近でいうと「ハゲタカ」の企業売買のスペシャリスト・鷲津役の印象が強かったり、映画だと「新宿スワン」の新宿歌舞伎町のスカウトマン・白鳥役だったりだったので、こんな自信なさげでオドオドした綾野剛さんを見ることがなかったので、驚きました。
だって、歩き方、走り方、立っているだけで挙動不審なその姿にびっくりです。
(豪士ってとっても挙動不審な青年なのです)
俳優さんってすごいですね。
皆さんも、彼が走っている姿ぜひ観てください。
内股なんですよ、なんと!
そういう細かいところまで演じているってすごいなあと思います。
さて、このお話ですが、日本の地方のあんまり良くないところが出ているお話です。
閉鎖的でちょっとしたことに敏感で。
もちろんこういう作品なので、悪い部分をピックアップして描いているし、いい部分がたくさんあるのはわかってはいるのですが、ストーリーに引き込まれたせいか、終始息苦しく思いつつ観ていました。
事の発端は、Y字路での小学生失踪事件。
町中の人々の捜索も虚しく、ランドセルだけが見つかったまま、行方がわからず12年経っています。
(過去と現在が交差する形ですが、過去の映像はちょっと古臭い画質になっていて混乱することはないですよ)
杉咲花ちゃん演じる紬は、Y字路で行方不明になった少女・愛華ちゃんの親友で、失踪する直前まで一緒にいたのに自分だけ無事でいたことに罪悪感を持っている女の子。
「幸せになっていいんだろうか?」
と常に疑問に思っていて、友達も少なく静かに暮らしています。
「その気持ちもわかるけど、私あなたはもっと幸せになってもいいし、とっとと地元を出て行っていいと思うの」
と思いつつ観てしまうくらい、紬ちゃんの苦悩は続きます。
さて、原作の短編集『犯罪小説集』の中から「青田Y字路」と「万屋善次郎」の2編をまとめて映画化したこの「楽園」。
登場人物をうまくクロスさせつつ、一つにまとめています。
どちらの事件もきっかけは些細なもの。(おそらく)
被害者にも加害者にも、そして紬のようにたまたまその場に居合わせただけという立場であっても、そこまで特別な人ではなく、誰にでも起こりうることだと思うとゾッとしました。
これ以上は言いたくても言えないですが、観終わった後で語り合いたくなる作品です。
観終わったかた!
ぜひ語り合いましょう。
似ていないけど、可愛さを伝えたい!
杉咲花ちゃんです。
それではタリーちゃんの映画紹介をどうぞ!
「楽園」
容疑者の青年、
傷ついた少女、
追い込まれる男ーーー
ある夏の日、青田に囲まれたY字路で少女誘拐事件が起こる。
事件は解決されないまま、直前まで被害者と一緒にいた親友・紡は心に深い傷を負う。
それから12年後、かつてと同じY字路で再び少女が行方不明になり、町営住宅で暮らす孤独な男・豪士が犯人として疑われる。
追い詰められた豪士は街へと逃れるのだが……。
さらに1年後、Y字路に続く限界集落で愛犬と暮らす養蜂家の善次郎は、村おこし事業を巡る話のから
村八分にされてしまう。
次第に追い込まれていく善次郎は正気を失い、とうとうある行動を起こしてしまう。
「悪人」「怒り」など数々の著作が映画化されてきたベストセラー作家・吉田修一の短編集「犯罪小説集」を、「64 ロクヨン」の瀬々敬久監督が映画化!
綾野剛、杉咲花、佐藤浩市ら豪華キャストが集結し、犯罪をめぐる喪失と再生を描き出す。
一体何が真実なのか、観終わった後も考えてしまう作品です。
この作品を観た人とすごく話がしたいかも。
「一見こういう結末だけど、こういうことも考えられない?」
なんて話を肴に飲みにいきたいです!
「楽園」
- 監督・脚本:瀬々敬久
原作:吉田修一『犯罪小説集』(角川文庫)
キャスト:綾野剛、杉咲花、村上虹郎、片岡礼子、黒沢あすか、石橋静河、根岸季衣、柄本明、佐藤浩市
- 制作年度/国:2019年/日本
10/18(金)より、TOHOシネマズ梅田、OSシネマズミント神戸、他にて公開
劇場情報はこちらからどうぞ! → ★
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