人間になったつっきー、タリーと出会う

 

ぽちまりが誘拐犯であるアオビヨの隣でウトウト眠り始めた頃、

深海の魔女に人間にしてもらったつっきーは、

道に迷いながらもやっと『イヌメンZ』の事務所へたどり着きました。

 

まだ人間になったばかりの慣れない足で、

靴も履かず、何度も倒れながら歩いてきたので

つっきーの足はボロボロ・・・。

 

そんなボロボロの足を引きずりながら事務所のドアをノックすると

中から秘書のタリーが出てきました。

 

「すみません! 私はぽちまりの親友で、つっきーと申します」

つっきーが挨拶をすると、

 

「まあ! ぽちまりちゃんの? 実は大変なことになっているの! とにかく入って!」

そう言って中に入れてくれました。

 

 

* * *

 

 

「実はぽちまりちゃんは宇宙人にさらわれてしまって、

今うちの社長がロケットで後を追っているのよ」

 

入るなりタリーは落ち着いた口調で言いました。

 

どうやらさらわれてすぐの頃よりも今ではいろいろな情報も集まってきて

タリー自身も落ち着きを取り戻してきた様子です。

 

 

つっきーは

「・・・知っています」

と頷くと、自分も水晶でその時の様子を見ていたと打ち明けました。

 

「そうだったの、今頃2人は“バズーガ星”という星を目指しているはずよ。

うちの社長とは通信で連絡が取れるわ。

状況がわかり次第連絡するから、連絡先を教えてちょうだい。

まずは、傷の手当てをしましょう」

 

タリーは、つっきーが安心できるようにできるだけ穏やかに言いました。

傷だらけの足で必死に尋ねてきたつっきーをまずは落ち着かせたかったのです。

 

そんなタリーの想いも痛いほど分かりましたが、

「自分も何か手伝わせてください!」

とつっきーはタリーにお願いしました。  

 

実は人間になってしまったつっきーは、

もう海へと帰ることができなくなってしまったのです。

そのことにはっきり気づいた訳ではないけれど、

ぽちまりを救うまでは海には帰らない決意を固めたつっきーなのでした。

 

 

 

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