イヌメンZ

さらわれたぽちまり   待ちに待ったパーティーの日がやってきました。 珍しくスーツ姿で事務所の前をウロウロするイヌメンZです。   約束の時間はもうそろそろ。 しかし、まだぽちまりは現れません。   (おかしいな? もしかして、何かあったのかな?)   事務所前のベンチに座ってそわそわと待っていると、 向こうからタリーが大慌てで走っ ...
意外に効果があったつっきーの魔法   あの日以来、ぽちまりの事が気になって仕方ないイヌメンZ。 手紙を見るたび、その気持ちは強くなります。 なぜならこの手紙には、魔女の卵つっきーの魔法がかかっているからなのです。   (仕事以外で、こんなに気になることができるなんて) とにかく、仕事中心だったイヌメンZにとって、こんなことは初めてでした。   そんな時、 ...
消えたぽちまりと残された手紙   バイクで病院に到着し、ぽちまりを降ろそうと振り返ると、 そこにぽちまりの姿はありませんでした。   病院の前で、ぽちまりをくくりつけていたはずのロープを 持って唖然とするイヌメンZ。 確かにいたはずなのに、途中で振り落としてしまったのかと、 一応探しながら帰ったものの、人魚は見つかりません。   (夢だったのか? ...
ぽちまりと再会するも、病院へ直行   ある日、外食しようと事務所のドアを開けると、そこには人魚が倒れていました。 そう。その人魚はイヌメンZに一目惚れした「ぽちまり」です。   イヌメンZは倒れているぽちまりを抱き起こすと、 ぽちまりのそばで散乱しているお弁当を見て食中毒を疑いました。   (なぜここにお弁当・・・? いやそんなことより、もしかして食中毒?) ...
イヌメンZを追う視線   イヌメンZのお仕事は、デザイナーです。 たまに打ち合わせなどで外に出ることもありますが、基本的にはパソコンに向かって仕事をしています。 一日中座っていると体はギシギシ。 肩だけでなく全身がだるくなってしまいます。   この日も朝から晩までパソコンの前で、新しい看板のデザインを仕上げていました。 もちろん、体中がギシギシ、肩に何かが乗っているかの ...
そう遠くない未来。 このお話は、人だったり動物だったりが同じ言葉を話して共存する 少しファンタジーな世界でのお話です。   * * *     夜のランニング   今から、そう遠くない未来。 イヌメンZという犬のお面をかぶって生活している男がいました。 彼はお面をかぶっていること以外は普通の生活をしていて、 周りも決して彼がなぜお面をかぶり ...
地球に思いをはせる     おねえのりが銀河の流れ星に気を取られ、ロケットから飛び出して宇宙をさまよっている頃、 イヌメンZは、リクライニングシートですっかりくつろいでいました。   もちろん彼は、おねえのりがいたことも、そして消えてしまったことも知りません。 ただ、少し前よりは不安を感じていました。 これはおねえのりが姿を消してしまったことと何か関係があるの ...
さよなら、おねえのり     とんでもないことになってしまいました! 流星群に興奮したおねえのりが、うっかり窓から宇宙へと飛び出してしまったのです。   どうやら彼女はキラキラと光る『金平糖』のようにきれいな流れ星に夢中になりすぎて 力が入ってしまい、気がつけば、宇宙空間をくるくると移動していたのです。   おねえのりたち『かたのり族』は、見え ...
イヌメンZの知らないところで・・・     無事にオータ博士が送り込んできた追加システムを受け取り、 宇宙空間での作業を終えたイヌメンZは、極度の緊張を乗り越え、 ほっと一息ついていました。   操縦は自動運転に切り替え、大好きなアイスコーヒーを飲みながら 窓から見える銀河の美しさに言葉もありません。   (写真に撮って、地球で留守を守っ ...
ロケットがロボットになる   オータ博士と通信して、一方的に追加システムの話をされた日から数日後、 ロケットの底の方がガツンと揺れ、いよいよ追加システムがロケットに届きました。   あれからオータ博士は膨大な量のマニュアルを送ってきていて、 だいたいの概要はつかめていたイヌメンZ。   とはいえ、こんな大きな追加システムをドッキングさせるには、 ある程度 ...