胸騒ぎがする・・・

 

 

ムラビヨが消えてしまってから、ずっとゆぎょは考えていました。

 

あの紫の宇宙人から聞いた話を思い出していると、

なんだか心がざわつきます。

 

『皇子』『バズーガ星』『マルビヨ』

 

「何か忘れているような気がする・・・」

思わずゆぎょが呟くと、

 

「旅を続ければ答えに巡り会えるはずです」

ざしきがゆぎょを励ましました。

 

(何を根拠に言ってるんだ?)

イエローチッチは、心の中で悪態をつきました。

もちろん、他のふたりには伝わらないようにですが。

 

 

* * *

 

 

寝ては歩きを繰り返したある朝、空を見上げながらざしきが言いました。

 

「東だと思っていたのに・・・。戦いの場が変わろうとしている」

 

唐突にこうつぶやき、それきりしゃべらなくなったざしきを心配する

ゆぎょでしたが、彼はなぜか嫌な胸騒ぎがしてなりません。

 

この胸騒ぎは、ムラビヨから話を聞いた時からずっと続いていたのですが、

ますます嫌な感じのものになっていたのでした。

 

「何なの? 急に! そんなの何にも感じないよ!」

 

不穏な空気に包まれるゆぎょ一行でしたが、イエローチッチだけは

何も感じないらしく、辺りをキョロキョロ見回しています。

 

そんなイエローチッチをゆぎょとざしきは完全に無視して、

ふたりの中の深刻な空気は続いていたのでした。

 

 

* * *

 

 

その頃ムラビヨは、ビヨ兄弟をまとめるリーダーの『マルビヨ』と

連絡をとっていました。

 

マルビヨが言うには、皇子に反応するレーダーは、

ムラビヨのかなり近くで点滅しているらしいのですが・・・。

 

 

*2018年4月6日に公開したものを再掲載したものです。

 

 

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