博士はいつも突然に・・・

 

 

ぽちまりを救うため、イヌメンZに助けを求めてきたつっきーを自宅に泊めたタリーですが、翌朝つっきーがぽちパパに会うために出かけていたので、一人で朝ごはんを食べていました。

 

この朝ごはんはつっきーが作っていってくれたサンドイッチ。

こんな状況でも気遣いを見せてくれるつっきーに、出会ったばかりのタリーもかなり好感を持っていました。

 

 

美味しい朝ごはんを食べ終わり、タリーが出かける準備をしていると、朝から電話が鳴っています。

 

(まさか、つっきーかハニーちゃんに何かあったのかしか?)

 

恐る恐る電話をみると、オータ博士からの電話でした。

 

(まさか、社長に何かあったのでは?)

 

宇宙に行ったイヌメンZと連絡をとっているはずのオータ博士からの着信。

ドキドキしながらもなんとか気持ちを整えて電話に出ます。

 

「おはようございます。博士」

 

タリーが挨拶すると、受話器の向こうからオータ博士がすごい早口で捲したてる声が聞こえてきました。

 

「そっちにもうすぐ着くから! 早く早く!」

とタリーを急かしています。

 

「え?! 博士、社長に何かあったんじゃ・・・、はい。とにかく向かいます!」

 

何を聞いても「早く事務所に来て!」としか言わないオータ博士。

 

とにかく急いで事務所に行かなければいけないということがわかったタリーは、髪も巻かずに家を飛び出しました。

 

「も〜! いつも突然なんだから、あの博士は」

 

 

* * *

 

 

事務所に着くと、ドアの前に博士が立っていました。

そわそわ、イライラしているのが、遠目でもわかります。

 

「博士〜! お待たせしました!」

 

手を振って駆け寄るタリーを見つけて、オータ博士も叫びました。

 

「早く、早く! 浮かせてるのも結構エネルギー使うからさ」

 

タリーとの挨拶もそこそこに、オータ博士がスイッチのようなものを作動させました。

 

「なんなんですか? そのスイッチ」

 

「まあ、まあ。ちょっと見ててよ」

 

オータ博士はそのスイッチを握りしめながら空を眺めます。

それはもう嬉しそうな表情で。

タリーはその横顔をしばらく見ていたのですが、突然頭上が暗くなったのです。

 

「え?」

 

タリーが空を見上げると、とんでもなく大きな物体がゆっくりと降りてくる所でした。

 

「こ、これは!?」

 

ドドン!! と音を立てながら目の前に着地したそれは・・・  

 

 

 

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