桃色人魚浜へ

 

 

夜中、ららっこくんと連絡を取ったつっきーは、そのまま布団の中でも眠ることができず、

あっという間に夜が明けてしまいました。

 

まだタリーは眠っているのですが、彼女には置手紙を残して

昨日ららっこくんに言われたぽちパパがいるという桃色人魚浜に向かいます。

 

早朝の街中でなんとか駅にたどり着き、駅員さんに行き方を聞きながら

初めての電車もなんとか乗り継ぎ、日が昇る頃には桃色人魚浜にたどり着くことができました。

 

穏やかな波の音を聞きながら浜辺を歩いていると、

浜辺で釣りを楽しむぽちパパをすぐに見つけることができました。

 

「ぽちパパ!」

 

つっきーが呼びかけると、

ぽちパパは驚いた顔をして

 

「あれ? つっきー?」

 

と言いながら釣り棹を掴んで駆け寄ってきました。

 

「つっきーも釣りか? ・・・いや、そもそもどうやってここに?」

 

不思議そうな顔をするぽちパパに、つっきーが説明しようとすると

 

「その肩の生き物何?」

と、ぽちパパがつっきーに手を伸ばしてきました。

 

「生き物?」

 

つっきーにはなんのことかわかりません。

実はつっきーの頭と肩にはあたちのりとおかあのりが乗っていて、

どうやらぽちパパにはかたのり族が見えているようなのです。

 

「あれ? つっきー、その足!」

 

不思議な生き物かたのり族に夢中になっていたぽちパパですが、

ようやく人魚であるつっきーに足が生えていることに違和感を覚えたようです。

 

詰め寄るぽちパパの顔を見ているうちに

つっきーはとうとう泣き出してしまいました。  

 

 

 

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