地球に思いをはせる

 

 

おねえのりが銀河の流れ星に気を取られ、ロケットから飛び出して宇宙をさまよっている頃、

イヌメンZは、リクライニングシートですっかりくつろいでいました。

 

もちろん彼は、おねえのりがいたことも、そして消えてしまったことも知りません。

ただ、少し前よりは不安を感じていました。

これはおねえのりが姿を消してしまったことと何か関係があるのかもしれませんが、

今はよくわかりません。

 

 

少し仮眠を取っておこうと思ったものの眠りにつくことはできず、

ぼんやりとぽちまりをさらったという宇宙人をイメージしていました。

 

 

目撃者であるタリーの証言によると、その宇宙人は青くて丸い姿をしていたらしい。

宇宙船に乗り込むところを見たタリーも興奮状態だったため、

「青くて丸い」事しか把握できていなかったようだったし、

イヌメンZ自身も必死で、どんな大きさだったのかも聞かずに飛び出してしまったのです。

 

「大事な仕事も置いてきてしまったしな・・・」

 

タリーにすべて任せてロケットに乗り込み、宇宙へとやってきてしまったイヌメンZ。

普段の彼であれば、考えられないこの行動は、もしかしたらつっきーがかけておいた

ぽちまりの手紙の魔法の影響が残っていたのかもしれません。

 

(いくら優秀な秘書のタリーちゃんでも、すごく困っているだろうな。怒っているかなあ)

 

申し訳ないと思いながらもタリーに任せるしかなく、

もし宇宙でお土産が買えたら買って帰ろうと考えて笑ってしまいました。

 

 

(俺って宇宙人に勝てるのかな)

悩むイヌメンZを乗せたポップスター号は、確実にバズーカ星へと近づいています。

 

 

 

その時、

ドドン!

と大きな衝撃がロケットを襲いました。 

 

 

 

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