「マルビヨ」には内緒で

 

アオビヨにさらわれ、宇宙に飛び出したぽちまりは、

泣き疲れて宇宙船でウトウト・・・。

 

「寝たら足が人魚に戻っちゃう・・・」

そう思いながらも、疲れたぽちまりはアオビヨの横で眠ってしまいました。

 

幼馴染のつっきーやららっこくんにはいつも

「なんだかんだ、ぽちまりちゃんは肝が据わっている」

と言われているのは、こういった行動に由来します。

 

さっきまで恐怖のあまり真珠の涙を流していたのに、

まさか敵の横で眠ってしまうなんて!

 

自分の為につっきーが人間になってしまったとは夢にも思わず、

深い眠りに落ちてしまうぽちまりなのでした。

 

 

* * *

 

 

一方、自分の隣で眠りこけているぽちまりを見て、

 

「あれ? さっきまで真珠を出してたのに・・・」

と、独り言を言いました。

 

完全にぽちまりを真珠生産機としか見ていないアオビヨは、

とりあえずこの素晴らしい能力を持った彼女を

兄弟のリーダー「マルビヨ」に内緒にしようと心に決めました。

 

「うるさいからな、マルビヨは」

 

変に報告して、根こそぎこの真珠を取り上げられたら

たまったもんじゃない! そう考えているのです。

 

とりあえずぽちまりを自分の家に隠そうと、急いでUFOを操縦しています。

アオビヨのUFOは高速で宇宙を駆け抜けていきました。

 

 

* * *

 

 

・・・同じ頃、全ビヨ星人の位置をレーダーで管理している『キイビヨ』は、

目の前にあるモニターの中で不自然な動きをしているアオビヨの軌跡を

見つめていました。

 

「どう考えても、この動きはおかしいよな〜」

 

明らかに本部の指示とは違う行動です。

アオビヨには、まだまだ地球で大暴れしてもらい、

第一皇子をおびき寄せる役割が与えられていたはずでした。

 

それが、地球を離れてどうやらバズーガ星に帰ろうとしています。

 

気の弱いキイビヨは、母艦の中で全員の行動チェックを

マルビヨに任されているのです。

何か不自然な動きがあれば、マルビヨに報告すべきなのですが、

実はキイビヨは、アオビヨのことがものすごく苦手でした。

 

「マルビヨに報告したことが、アオビヨにバレると

絶対に“お前チクったな!”って怒りそうだな〜」

 

こうしてキイビヨは長い間、アオビヨの勝手な行動を

マルビヨに伝えるべきか悩みに悩んでいました。

 

 

 

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