地球との通信
丸一日かかってしまったものの、それでも驚異的なスピードで
ポップスター号の修理は完了しました。
「思ったより時間がかかってしまったよ。地球のレベルは低いと思ってたけど、こんなものも作れるんだね」
おにびよの仲間が、褒めているのかからかっているのかわからない
口調で言いながら、エンジン部分のどこに問題があったのか、
次に同じ現象が起きたらどうしたらいいのかを説明してくれました。
いよいよその説明も終わり再び旅立つ時、
おにびよ、あかびよとその仲間たちが見送ってくれました。
「気をつけて」あかびよは心配そうです。
「僕たちはもう仲間だ。もしも助けが欲しい時は呼んでくれ」
「ありがとう」
みんなとのお別れも済ませ、イヌメンZは再びポップスター号に乗り込みました。
タリーから届いていたメッセージをもう一度確認し、『アオビヨ』が
帰星すると言っていた『バズーガ星』を目的地にセットします。
どれくらいの時間がかかるのかわからないのですが、後は無事に到着することを祈るしかありません。
こうしてポップスター号は、おにびよ・あかびよの星を出発しました。
* * *
出発してしばらくすると自動運転に切り替え、イヌメンZは一息つきます。
(やっぱり離陸するのは、まだ緊張するな)
それもそのはずです。
いかに地球ではいろいろな乗り物を乗りこなしていたイヌメンZとはいえ、
ロケットを操縦するのは初めてのことなのです。
一旦その緊張感もおさまり余裕ができたところで、オータ博士と通信できると
聞いていたモニターをONにすると、すぐに博士とつながりました。
モニターに映るオータ博士は、何やら忙しく動いて大きなものを作っています。
「オータ博士! イヌメンZです!」
モニター越しに大きな声で呼びかけてみると、オータ博士は最初キョロキョロしていたものの、
やっとイヌメンZだということに気づいてモニターの前に座りました。
そして座るなり一方的に話し始めました。
「ゼット! 今作っている追加システムを後でそのロケットに届けるから戦う準備をしておくんだぞ!
宇宙人てのは、人間なんかよりもずぅっと文明が進んでいるんだからな!」
「追加システム?! 博士どういうことですか?」
イヌメンZが聞いても、モニターには楽しそうな博士の顔が最後に映って、
そのあとはどこかに行ってしまったらしく、後は机の端だけが見えている状況になったので、
イヌメンZは通信を切ったのでした。
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