あんこドローンはぽちまりのそばに

 

「宇宙空間へ入ったよ。ちょっとこれに着替えといてよ」

 

アオビヨがぽちまりに丸いボールのようなものをぶつけると、

絵の具を塗るようにぽちまりの服が宇宙服に変化しました。

 

「これだと地球の外でも生活できるからね、脱いじゃダメだよ」

アオビヨは真珠を数えながら、誰かと連絡を取り始め、

ぽちまりは一人銀河を眺めながらため息をつきました。

 

 

そう。

ここはぽちまりをさらったアオビヨのUFOの中。

さっきまでイヌメンZとのデートにワクワクしながら歩いていたのに、

急に連れさらわれ、あまりの恐ろしさに真珠の涙を流していたぽちまり。

 

「本当は今頃、ゼット様とパーティーだったのに・・・」

 

イヌメンZのためにオシャレしたドレスもヘアースタイルも

よくわからない宇宙服に一瞬で変えられてしまいました。

 

また、涙が溢れてきてしまったけど、真珠の涙を流しても

アオビヨが喜ぶだけ。

涙をぐっとこらえて、ぽちまりは幼なじみで親友のつっきーの事を考えました。

 

「つっきー。私のこと見えてる?」

 

ぽちまりはアンコドローンに向かって小さく手を振りました。

幸いアオビヨは真珠の涙に夢中で、こんなに目立つアンコドローンの事は

気にもなっていない様子です。

 

アンコドローンが宇宙から海の底のつっきーの元へ

映像を送ってくれているかはわからないけど、

心細かったぽちまりは、親友にとにかく無事だと伝えたかったのでした。

 

 

* * *

 

 

「ぽちまり!」

 

相変わらず映像は途切れ途切れだったけれど、

ようやくカメラ目線で弱々しく手を振るぽちまりの姿をとらえたつっきーは、

たまらなくなって、心の中で決意しました。

 

「アンコさん・・・水晶をお願い!」

 

水晶をアンコさんに頼むと、深海の魔女の元へと飛び出して行きました。  

 

 

 

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