宇宙人に遭遇する!

 

 

「う〜ん。どうやらなにかおかしいな・・・」

イヌメンZはロケットを操縦しながら

つぶやきました。

 

実はさっきからエンジンの調子が悪いのです。

地球ではバイクの調子が悪くなっても、

路肩に停めて、自分で整備できるイヌメンZも

さすがにロケットを宇宙空間で漂わせながらでは

どうやって整備すればいいのかわかりません。

 

「どこかに立ち寄れる星でもあればいいんだけれど」

 

いつも冷静なイヌメンZもさすがに少し焦りながら

どこかにいい星がないものかと探していると、

地球から38万km程飛行したところで、

月の近くにある赤い惑星を発見しました。

 

そこで、どうにかその惑星に不時着することに成功。

とりあえず宇宙服を装着して外に出てみました。

 

 

* * *

 

 

「ねえ、どうしたんだい?」

 

後ろから肩を叩かれて死ぬほど驚くイヌメンZ。

おねえのりも驚きすぎて、肩から滑り落ちてしまいました。

 

振り返るとそこにいたのは、熊のような顔をした不思議な生物です。

 

「今、肩を叩いて声をかけてきたのは君なの?」

 

びっくりして尻もちをついているイヌメンZが恐る恐る声をかけると、

その生き物は起き上がるのに手を差し出してくれました。

 

「僕だよ。“おにびよ”っていうんだ」

 

「私は妹の“あかびよ”よ。あなたは?」

 

「イ、イヌメンZです。ありがとう」

 

おにびよの手を借りて起き上がったイヌメンZは、

エンジンの調子が悪くなっているポップスター号の

修理をしたいと彼らに伝えました。

 

その話を聞くと二人はイヌメンZを自分たちの家まで案内し、

あかびよがお茶を入れてもてなしてくれます。

 

ようやくほっと一息つけたイヌメンZにおにびよが言いました。

 

「仲間にロケットを修理できる奴がいるから、君のロケットを見てもらおう」

 

 

 

 

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