宇宙人は『アオビヨ』と名乗った

 

「・・・てわけでね、地球で騒ぎを起こしてさ、

その元皇子をおびき出す作戦なわけなんだよ」

 

ぽちまりを連れ去った青い色をした宇宙人は『アオビヨ』と名乗り、

延々と地球に来た理由を語り出しました。

そんな話は、もちろんぽちまりの耳に入ってきません。

 

(どうすれば良いの・・・?)

 

涙をこらえて、どうにか逃げ出せないか辺りを見回してみると、

宇宙船の中はとても狭いように見えましたが、実際に入ってみると

内部は広いようで、二人で乗っていても空間には余裕があります。

でも、他に助けを求めようにも、この青い宇宙人しかいないので、

どうすることもできません。

 

「・・・まあとにかく、こっちも仕事だから少し付き合ってよ」

 

そう言って、その宇宙人はぽちまりに近づき肩を叩きました。

 

初めて宇宙人を近くで見たぽちまりは、恐ろしさのあまり

今までなんとかこらえていた涙が止まりません。

 

大きな粒の涙がこぼれた時、それが「カツン」と音を立てて転がりました。

 

「え! 真珠じゃないのコレ!」

 

アオビヨが、ぽちまりの涙から出来た真珠を見て大声をあげました。

 

そうなのです!

ぽちまりは、大粒の涙をこぼした時、その涙が真珠に変わる

という特殊な体質を持っていたのです!

 

「なんだよ! お前、真珠の涙が作れるのか!?」

 

興奮したアオビヨは床に散らばった真珠を集めながら、

UFOの進路を変えるとぽちまりに言いました。

 

「決めた! お前は俺の星へ連れて行くことにする!」  

 

 

 

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